郡山14:36着。途中二度の1時間待ちがあったが、150キロちょいのところにほぼ一日かけてしまった… 季節は12月、日没まであと2時間もない。3日しか旅程が取れない中、もったいないというか、贅沢なというか、なんとも微妙な一日目である。とりあえず雨もやんで晴れているので、宿に荷物を置いてちょっと市内散策に出かける。


郡山市は音楽の都市ということで、マスコットのがくとくん、おんぷちゃんなどとともに「楽都」をアピールしている。市のHPなどを見てもそれほどのものかなと思わなくもないが、まあそれほどのものなのだろう。市出身の有名アーティストといえばなんといってもGreeeeN(現GRe4N BOYZ) 歯科医兼業のボーカルグループとあって、本業に支障しないようプロフィールはほぼ非公開だが、それでも市内の奥羽大学歯学部でメンバーが出会って結成、ということは明かされている。
また県庁所在地・福島市も朝ドラ『エール』でおなじみ、作曲家の古関裕而氏の出身地ということでアピールしており、何かと比べられることが多い両都市がともに音楽で売り出しているのが興味深い。

福島駅前。「古関裕而のまち」として売り出し中。ちょうどこの年(23年)氏が野球殿堂入りを果たしたのを祝う横断幕も

郡山を本拠とするB2リーグ所属「福島ファイヤーボムズ」のビジュアル。他にもSVリーグ参戦に当たって愛知県西尾市から「デンソーエアリービーズ(Airy Bees)」がホーム移転してきたりと、郡山をホームとするチームは多い。
バスで10分ほど、市役所前で降りて隣接する開成山公園へ。





公園内は野球場と陸上競技場、さらに総合体育館が隣接する一大スポーツ公園。どちらのNPBの一軍戦、ならびにJ1チームの本拠地としてはやや収容人数が少ないが、それ以下のカテゴリなら十分ホームスタジアムになりそう。
難点はあまりに街の中心部にありすぎて駐車場が少ない。観戦者を集めるプロスポーツはおろか、アマチュアでも競技会みたいな大会になると車を収容しきれないのではないか… まあ、駅前はじめどこかに止めれば何とかやってくることは可能だろうが。

郡山市というのは日本では珍しく歴史の浅い街で、江戸時代までは小さな宿場町にまわりは原野。福島、会津若松、白河、二本松、三春のような大小問わず藩は置かれなかった。
明治に入ると一転、この原野に開拓の手が入る。まず猪苗代湖から安積疏水が引かれ、原野は肥沃な地に。さらに猪苗代湖の水力発電で産業誘致(紡績など)。鉄道も東京と東北を結ぶ東北本線と太平洋から日本海を結ぶ磐越線が交わる交通の要衝に。さらに高速も東北道と磐越道が同じく郡山で交わる。
かくして東京から近く、周辺とのアクセスも良い郡山は成長を続け、いまは県内人口最多をいわき市と僅差で争い、県庁所在地の福島市は第三位となっている。
この開成山公園はいわゆる開拓記念公園みたいな位置づけにあり、いわば郡山の原点といってよいだろう。

お隣の開成山大神宮も開拓に合わせて伊勢神宮を分霊奉遷したもの。公園と合わせて4月は桜の名所としてにぎわう。
だいたいここまでで一時間ほどの散歩に。日が暮れて寒くなる前に切り上げる。適当に最寄りのバス停に出てまた駅に戻る。地元の学生さんとかといっしょにバス停に並び、さも地元の利用者っぽくなんとなくバスに揺られる。観光地をきっちり回る旅もいいが、ワシはこんな地元の日常にさりげなく交じる旅も好きなんよねえ… もっともバス代を支払おうとしたらsuicaが使えず現金払い、そこらへんでよそもんってばれるのですがw
一応宿ではこの年最後の旅に限り、一年間の反省というか、まあ来年どうしたいかみたいなことも神妙に考えたりする。オイシックスについて一応地元では行ける限りなるべく多く、ビジターでも何回か見に行きたい、と大きな方針を立ててはいるものの、じゃあ具体的にどのへんで、というのは当然日程発表もされていないので立てようもない。(ついでにいうとJリーグもこの時点ではまだ未発表) ここに関東ビジター戦が来ると西武の一軍とはしごできるねとか、行き帰りにここに寄ってみようとか、仮定の妄想はいくらでもできるのだが、あくまで仮定は仮定。
まあこの妄想だったり、日程が発表されてもうちょっと計画が深度化したり、この辺考えてるのが一番楽しかったりもするんですけどね。妄想にお金はかからんし…
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