書評 #2 オイシックス新潟アルビレックスBCの挑戦(小山宣宏)

SNSでどなたかがこの書籍の発売を教えてくれていたので、とりあえず出たら買おうと決めていた。そろそろかなと思ってここしばらく書店をこまめに回っていたが、本日(12/18)無事入手。街に一店の本屋だが、県内ということもあって10冊ほど平積みされていました。


23年11月にファーム参加が決定してからあわただしく駆け抜けた一年を主に現場(ベースボールオペレーション)視点でつづった一冊。

オイシックスを知らない普通のプロ野球好きな人にも、いい感じでこの一年が伝わるくらいのほどよい情報量。逆に言うとBCL時代から長年見てる、あるいは現場に数多く通って翌日の日報記事はきちんと目を通している、くらいの熱心な人は意外とこれはどこかで見たこと読んだことあるよ、みたいなネタもかなりある。

それでもこの一年きっちりチームを追いかけて書籍化してくれた著者には敬意を表したい。ネタもかなり取材をした上で取捨選択した跡が見て取れる。結果として育成指名を勝ち取った下川投手がこの一年の主役として一番多くの分量が割かれているが、もしかすると知念、上村選手ら、あるいはNPB組の高山、薮田選手らが主役になっていた可能性も否定できず、実にダイナミックな一冊だといえよう。


一方運営というか経営・企画周りは記述少な目な印象。何度か書いたこともあるが、ワシは野球のプレーそのものと同じくらい運営周りのことも興味がある変なファンなので、例えば

・予算規模2億→6億(さらにかさんで6億後半くらいになったと池田社長会見より推測)どうかき集めたか
・スタジアムグルメ開発の裏話
・缶バッジ即日完売、徹夜であわてて再生産

みたいな話も読んでみたかった。ただここはもう、どんなネタをどのくらいの分量で結果としてどのくらいの価格で出すのが一番読者に手に取ってもらえるか、というのを本を書くプロ(筆者)、出すプロ(編集者)が考え抜いた結果だと思うので。


以下ネタバレにならない程度に仕入れた小ネタ

橋上第一期監督時代。選手を20人ほど食事に連れてゆき(牛丼屋) (もっと高いところでもいいのに…)と思いつつも「好きなだけ食べていいぞ」と声をかけた結果会計10万越え。牛丼屋で10万てw 200杯以上食べてるってことか、一人10杯計算。これなら食べ放題系のお店でも… と思うが体格のいいスポーツ選手系団体のご来店ってあまりいい顔されないみたいですね(当たり前か…)

元NPB選手は当初は何が何でもNPB復帰を…と意気込んでプレーをするが、立ち位置あるいはチーム構成上後輩に「教える」ことも多く、そこで何かと今後の野球人生を考えることも多いそう。要は現役をいかに続けるか…からその先も考え出すらしいです。そこを踏まえると今後の元NBP選手はとにかくNPBに戻りたい若手+その先も踏まえたベテラン、みたいな二極化していくのかなあとも思います。

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