球場の歩き方 #2-1 楽天モバイルパーク 平日にプロ野球を開催するということ

まずざっと仙台市街の概要を説明しておこう。まず仙台駅から西北1.5キロほどに県庁、市役所。駅と役所のこの間にオフィス街、商店街、繁華街などいわゆる中心部が広がっている(城下町時代からの中心部) 一方球場は東側1.7キロほどに位置する。いわゆる「裏口」にあたるが、こちらもユアテック本社など都市化が進み、他県の県庁所在地表口に引けを取らないほど栄えている。

ところでプロ野球の平日ナイターを観戦する日、ファンは昼間なにをしているのか? せっかくの観戦日だから練習からしっかり見物するので早上がりにした、あるいはそもそも休みだから観戦に行ける、といった人もいるだろう。ただやはり、昼間の仕事や授業を終えてから球場に駆け付ける、という方が多数派なのではないだろうか。

一年に一度くらいの特別な日の人。ちょっぴり特別な日の人。日常生活に完全に溶け込んでいる人。プロ野球とのかかわり方は様々だろうけど、最大公約数的なところでやはりプロ野球の本拠地というのは交通アクセスは決して無視できない。

それを踏まえて楽天モバイルパークのアクセスを見ていく

思いのほか手段が豊富。

アクセスの本命はシャトルバス。運賃も100円のワンコイン。道も市内交通の要衝というわけでもないので、自分が乗った際は一度も渋滞で詰まることはなかった。
二番手が徒歩。20分はちょっと早足感があるが、25~30分もあれば十分仙台駅にたどり着く。帰りの電車とかバスの時間が決まってる人は確実に時間が読める点でこちらを選ぶ人も多い。
三番手にようやくJR仙石線。こちらは一列車当たりの収容人数が多いのが利点。さらに仙石線は仙台駅からさらに市内中心側に400m・あおば通駅まで延びているので、西側の中心部から球場に向かう人にとってはわざわざ仙台駅(さらに自由通路を越えて東口側)に出るよりも利便性が高い。
四番手の地下鉄東西線は、使ってる人いるのみたいな感じだが、これも沿線の人にとってはちょっと歩いても乗り換えるよりも便利なのだろう。

で、帰りは帰りで帰宅先に最も適したアクセス手段を選ぶと…

球場最寄りのJR仙石線・宮城野原駅。ベタな装飾ながらイーグルス一色。

時折NPBでは拡張構想が非公式に出たりするが、本拠地の市場規模、責任企業+地元企業の支援体制といった採算性もまず大事だが、意外と「毎日数万の人があまり移動のストレスなく球場に駆け付け、また帰っていけるか」といった点の検討が少ないように感じる。Jリーグで二週に一度数万が駆け付けるのと、下手すると一週間に6試合試合があるというのも、アクセスを担う交通事業者にとっては負担が違うだろうし… いっそ地方だからクルマに全振りしてメジャー張りの大駐車場を幹線に直結して… みたいな方がよいのかもしれませんね。


アクセスに関して大上段からちょっと力を入れすぎて論が長くなってしまったので、ちょっと方向を戻します。

球場から仙台駅までの徒歩ルート。左右に広々と歩道が取られ人でごった返すこともない。ところどころ球場で使用した座席が設置され一休みできる。

仙台駅内通路のイーグルスビジュアル。チームそのものと楽天モバイルの宣伝を絡めてのと二種。

仙台という都市(駅)で一番うらやましいのはこれ。西側の中央口に面した大コンコース。新幹線も在来線も改札を出た人はほぼこのコンコースに出て、地下鉄なりバスなり徒歩なりで市内に散っていく。このコンコースを通らない人は先述した東口側の利用者ぐらいで比率はざっと8:2以上か。仙台駅の一日利用者がJR東日本発表で89,462人(2023年度)、ざっと8割で7万人。これだけの人の目につくところでビジュアル告知できるってのは、もちろんお金もかかるが、なんとも素晴らしい一等地である。

ちなみに新潟駅は33,182人。まあ街の作りも(県庁も市役所も多くの大学高校も新潟駅が最寄のJR駅ではない)、駅の構造もまるで違うのでしゃーないといえばそれまでだが、それでもこれだけのビジュアルがどーんと出るとワクワクすると思いませんか? 新潟駅とか万代シテイのバスターミナルとか、なくはないのだろうけど、やっぱ大きさというかインパクトが違うのね…

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