久慈から乗りとおすこと3時間弱、ようやくとある駅で下車。
このホームから見えるトンネルの構図と、この駅舎。これもお分かりになる人がいるかもしれない。
こちらも2022年公開『すずめの戸締まり』の舞台である。日本を縦断し、大地震をもたらす物体(ミミズ)の封印に成功したヒロインと青年が最後にこの駅で別れるという設定。震災を扱う物語である以上、最後はこの東北の地が舞台になるのは必然だったのか。
駅舎内には劇中キャラクターのぬいぐるみ。(と写ってないがよくある来訪者ノート)
駅から海岸に向かって下りていくと、とある展望台に
ここにも劇中で登場した小道具を模したものがおかれている。扉は現世とあの世をつなぎ、ここからミミズが現世に飛び出して地震という悪さをしてしまうことになっている。(なので開いている扉を見つけては閉じて廻るというのが『戸締まり』という意味)
青年が封印されてしまった子供用のいす。
ミミズを封印する要石。
アニメ映画という性格上、ロケ等で特に地元自治体に協力を仰ぐ必要もなく、これらはあくまで有志が自分たちで作っておいているという恰好。展望台近くに聖地巡礼目当ての店一つあるでなく、なかなかこういうもので経済を廻すというのも難しいんでしょうな。
聖地巡礼ばっかりするのも芸がない。次の列車までまだ時間もあるので陸中山田の市街地まで足を延ばす。ここも他所と同じくかさ上げ、区画整備、道路まではできたものの肝心の家がない。一方で山間を見ると家がびっちり立ち並んでいる。
思うに被災者は10年間でこんな感じに生活再建していったのだろう
(1)避難先で仕事と住まいを見つけてそのまま移転してしまった人
(2)街の再整備の前に高台に住居用地を求め、自宅を再建した人
(3)自宅再建をあきらめ、集合住宅に入った人
みんなの意見を形成していくのも、復興予算を付けるのも、復興作業の人手、作業量、すべて時間がかかるのはわかる。でもやはり10年という期間は長すぎた。それぞれが生きていくために、次の行動をはじめなくてはならない。
ある程度のスピード感が求められる一方で合意形成のプロセスはしっかり踏む、この辺のバランス感覚が大災害時の復興には何よりも求められるのかなあ… これが4回にわたって三陸沿岸を廻った自分なりの感想。
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